電気、ガス、灯油、木質バイオマス。暖房の熱源として、世の中にいろんな燃料が出回っています。30年くらい前なら、石炭やコークスなんかもストーブの燃料として使われている家庭もあったでしょう。
最近ではガスやヒートポンプを使ったボイラーなんかが多いのかと思います。原発が盛んな時は深夜電力を使ったオール電化住宅が一気に普及しました。原発が止まって以降、電気料金の値上げがあり、オール電化住宅にお住いの方からは、電気料金が高いとお聞きします。何も気にしないで暖房や給湯を使うと7万円とか8万円ほどかかるそうです。
先日も電気料金が高すぎるので、ペレットストーブを主暖房にしたいというご夫婦がいらっしゃいました。たまたま気になっていた日鋼設計のペレットストーブが、うちに展示してあるのをホームページで見つけて来てくれたようで、やはり冬の間の電気料金が、頑張っても6万円を超えるそうです。ペレットストーブの特徴や概要、メリット、デメリットを説明しました。もちろん料金の事も。
今回導入を検討されていたペレットストーブは35万5千円。取り付け工事費が6万5千円、煙突がおおよそ5万円。合計で47万円になります。燃料代が年間7万5千円として、10年で75万。業者によるメンテナンスが10年で40万ほど。(消耗部品を交換するともっと料金がかかります。)
ざっと計算しただけでも、10年間のイニシャルコストとランニングコストを合わせると95万円ほどになりました。さて、オール電化をやめた場合、電気料金やペレット燃料の値上げがないとして、いくら変わるでしょうか。
月に2万円くらいが暖房で使う電気代だとすると、冬のシーズンを5ヶ月として年間10万円。10年で100万円程度になり、ペレットストーブを入れた時とほとんど変わらない光熱費となってしまいました。しかもペレットストーブは燃料を保管して自分で入れて、掃除もして、手間がかかるだけではなく、温められる部屋はストーブのあるところだけ。そうなると、今使っているオール電化の設備が故障して使えないとか、火の見える生活をしたいという気持ちが無いと、せっかくペレットストーブを入れてもらっても2年後には使わない、ただの邪魔なインテリアになっている事でしょう。高気密住宅であればストーブを一つの部屋で使っていると結露も出てくるから、やはり全部屋温める必要があるようです。
今回は光熱費を下げたいことが要望だったので、今の設備をそのまま使う方が料金的にも利便性も良いかもしれないので、じっくり計算してみてはと、お話しして終わりにしました。暖房にかかる電気代が3万円を超えるようなら、ペレットストーブの導入もありなのかなと思います。まあ本音を言えばペレットストーブを販売したかったなと思っています。はい。